「職場における腰痛予防対策指針」が改訂

2015年6月、近年の高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数の増加等を受けて、厚生労働省による「職場における腰痛予防対策指針」が改訂されました。

腰痛は、休業4日以上の職業性疾病の6割を占めていることから厚生労働省は特に力を入れて「職場における腰痛予防対策指針」に福祉・医療分野における介護・看護作業全般も含めて大幅に改定し、腰痛の発生が比較的多い作業についての対策をまとめ啓発に努めています。

腰痛を発症した年齢では、一番多いのが「30~34歳」、次いで「25~29歳」「35~39歳」の順になっていて、若い年齢層に多く発生しています。

また介護・保健衛生の職種では「25~29歳」が最も多く、次いで「20~24歳」と若年層での腰痛の発症が目立っています。特に介護における腰痛は3年未満の労働者の占める割合が 50.2%と過半数を占め、職について比較的早く腰痛を発症する現象が顕著にみられます。

このため、介護・看護作業を行う作業者に対して、厚生労働省では腰痛予防のための教育を奨励実施しています。教育内容としては、「腰痛の発生状況、原因(腰痛が発生している作業内容・環境、原因など)」「腰痛発生要因の低減措置」「腰痛予防体操」が奨励されています。

腰痛予防体操では、腰部を中心とした腹筋、背筋、臀筋等の筋肉の柔軟性を確保し、疲労回復を図ることが腰痛の予防にとって重要であることから

腰痛に効果的な静的ストレッチングとして、

①息を止めずにゆっくりと吐きながら伸ばしていく
②反動・はずみはつけない
③伸ばす筋肉を意識する
④張りを感じるが痛みのない程度まで伸ばす
⑤20秒から30秒伸ばし続ける
⑥筋肉を戻すときはゆっくりとじわじわ戻っていることを意識する
⑦一度のストレッチングで 1 回から 3 回ほど伸ばす

などがストレッチとして有効です。

また、ストレッチ以外では、よく知られているように「作業姿勢」が重要です。

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ポイントは、

◆作業対象にできるだけ身体を近づけて作業する
◆不自然な姿勢を取らざるをえない場合は、前屈やひねりなど、その姿勢の程度をなるべく小さくし、頻度と時間を減らす。
作業台や椅子は適切な高さに調整する。作業台は、ひじの曲げ角度がおよそ90度になる高さとする

などが求められます。

こうしたストレッチ、作業姿勢以外には、日常生活における十分な睡眠、入浴等による保温、腰の疲労回復の時間が必要です。また、喫煙は末梢血管を収縮させ、特に腰椎椎間板の代謝を低下させるなどのリスクがあるため、できるだけ避けた方が腰痛には有効です。

さらに最近はデスクワークで一日中座り仕事をする方も多くなっていますが、座っての作業では、椅子の座面の高さ、奥行きの寸法、背もたれの寸法・角度、肘掛けの高さなど、作業者の体格に合ったものを使用するのが最重要です。

せっかくの厚生労働省による「職場における腰痛予防対策指針」の改訂です。重要な点はすでに指摘してくれているので、腰痛を世の中から追放できるように頑張っていきましょう。

伊藤接骨院では、腰痛や肩こり、首痛などの痛みや辛さを緩和する施術を行っていますので、痛みがあったり気になる方はお早めにご相談ください。

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